スーパーマーケットに勤めるしがないサラリーマン、スーパーマンです。
「カスタマーハラスメント」、最近になってよく使われ出しました。ようやく小売業などのサービス業に携わる従業員の悲鳴がマスコミに届く時代になりましたね。
最近では、NHKの「クローズアップ現代」などでも取り上げられました。
まずは、「カスタマーハラスメント」とはなんでしょうか。
カスタマーハラスメントとは、「消費者による自己中心的で理不尽な要求」のことで略してカスハラなどとも言う。
「土下座しろ」「家まで謝りに来い」などお客の立場を利用しカスタマーハラスメントを行い、「暴言」や「恫喝」だけでなく「返金」「賠償金」「支払い拒否」など理不尽な要求をする場合などもある。
先日は、ある店舗でカスハラまがいの出来事があった。
「店長呼んで来い!」と50代後半と思われる男性が店内で大声を出していた。
吾輩は、たまたま店舗視察にいたので、事が大きくなれば出ていこうと思っていたのだが(ほんまですよ(笑))、店長不在のため、店長代理が対応していた。
「このレジのアルバイト(女子)、キャンペーンのハンコ押し忘れとるんじゃー!!」
どうやら、現在店舗でお買い上げ1000円ごとに1スタンプを押し、一定数貯まれば景品と交換するサービスをしているのだが、それを押し忘れたらしい。
バブルでおいしい思いをしてきた50歳代と思われる強面おっさんが大声を出していた。
店長代理「申し訳ございません!!すぐに押し損ねたスタンプを押させていただきます。」
男「そんなこというとんちゃうんや!なんで忘れるんや!」
アルバイト女子「すいません、、すいませ(泣)、すいま、、、、」
店長代理「本当に申し訳ございません。今後このようなことがないよう注意いたします。」
「今回は、おわびにダブルでスタンプを押させていただきました。申し訳ありませんでした。」
男「まぁ、ええわ。今回は許したる。今度あったら承知せんぞ!本部に言うたる!」
店長代理、よくがんばった。
吾輩は、アルバイトの女子学生が気になったので店長代理にすぐにフォローにいくよう指示した。
押し忘れたアルバイトの学生(女の子)はその男の大声と怒りように、恐ろしさのあまり泣いていた。
そりゃぁ、20歳前後の女子からすれば50歳の強面のおっさんが大声だしたら怖いわな。
みなさんはどう思われますか。押し忘れた店舗のアルバイト(女子)が悪い、会社の指導が悪いから怒られるのは当然なのでしょうか。
確かに、スタンプを押し忘れたことは会社が悪いと思います。ただし、店内で大声どなりちらすほどの問題でしょうか。
このオッサンが正しいと思うような社会なら、吾輩は納得がいかないし、こんな窮屈な日本社会でほんまにええの?おかしいんじゃね?って思う。
このようなクレームがあった場合、うちの会社は、「ミスしたアルバイトをきちんと指導していなかった店長が悪い。」「お客さまは神様だから、理由はいずれにせよ怒らせた店舗が悪い」「それだけ怒らせるとは何事や、対応が悪いからだ」との対応をするだけだ。吾輩も、店長時代、何度本部に泣かされてきたことか。特に2000年~2010年ごろまでは「カスハラ」の認識が社会全体でもなかったと思う。客が理不尽な要求をし、それに答えられなければサービスが悪い。てな風潮だ。
これは、わが社だけでなく、サービス業に従事しているみんなが、会社とカスハラ客の間で悩んできたし、今も悩みつづけているのが現状ではなかろうか。
2000年頃、「ホスピタリティ」の本が何冊も出版され、「私は、いかなるお客さまのご要望にもお応えし、私はお客さまに「できません」と言った事はありません。」「お客さまの立場になって考えろ、サービスは枠組みで考えるな。」など書いてある本を読んだりクソセミナーに何回行ったことか。
わが社の上層部もそういったセミナーに行き、影響され「お客さまに尽くして尽くして尽くしきれ!」など従業員言いっぱなすだけで、現場で起こっている現実を知ろうともしなかった。今でもそうだけど。
会社は、お客様を大切にしなければならない。これは当然だと思うが、同時に従業員も大切にしなければならない。わが社にはこれが決定的に欠けている。
本当にその人は、わが社のお客さまなんでしょうか?
カスハラによって精神的に追い込まれている従業員がどれほどいるのか、またはその対応が適切だったのか、会社は俯瞰的に見なければならない。
クレームによっては、消費者が企業の過失を訴えたり、みずからの権利を伝える、正当なものも多く含まれる場合もある。
これらのよく見極めた上で対応をしなくてはならない。わが社のように、なんでもかんでも従業員が悪いでは、会社と従業員の信頼関係が無くなってしまう。
小売り業界も、サービスに業界で一定のガイドラインを設けるべきだ。
各社が足並みを揃えなければ、いつまでたっても「あっちの会社では良い対応をしてもらったのに…」などとなり結局は、過剰サービス化してしまう悪循環となっている。
お客さまからのきちんとした要望、苦情、と、行き過ぎた内容のクレームを区別してお互いの信頼関係を気づいていくことが重要だ。
国も対策を考えている。厚生労働省は、カスタマーハラスメントの実態把握を行い、今年から本格的に法整備が必要か、検討を始めているそうだ。
ほんまに息苦しさを感じる世の中になったなぁ~。自分の子供たちの世代にしわ寄せがいかないようにしたいものです。
良いお客さま、良い従業員になろう。お互い敬意を持って接しよう。
投資はお早めに。